洗濯機のふたを開けたら、服に青や黒の点が散っていた。
ポケットに入れたままのボールペンが、洗っている間にインクを出してしまったのが原因です。
ボールペンを洗濯してしまった服でも、インクの種類に合ったシミ抜きをすれば薄くできることが多いです。
乾かす前の確認とインク別の落とし方、クリーニングに任せる目安が分かれば、手元の服をどうするか決められます。
1. 乾かす前にボールペンのインクの種類を確かめる
最初にやるのは、服を干さずに、洗濯機から出したままの状態でインクの種類を確かめることです。
乾燥機にもドライヤーにもかけず、濡れたままでインクの種類を確かめてください。
熱を当てると、油性や水性のインクは繊維に残りやすくなります。
乾燥機まで回す設定にしていたら、途中で止めて服を取り出しましょう。
インクの種類は、洗濯機から出てきたボールペンの軸に書いてあることが多いです。
表示が消えて読めないときは、商品名で調べるか、プラスチックの上に試し書きして見分けます。
| インク | 見分け方 | 落とすときに使うもの |
|---|---|---|
| 油性 | プラスチックに書いて指でこすってもにじまない | 消毒用アルコールか除光液 |
| 水性とゲル | プラスチックに書いて指でこするとすぐ消える | ふだんの洗濯洗剤か固形石けん |
| 消えるインク | 軸に消せると書いてあり、ラバーでこすると消える | アイロンかドライヤーの熱 |
あわせて、服の内側の洗濯表示も見ておきます。
水洗いできない表示があれば、この先のシミ抜きはせず、6番のクリーニングの話に進んでください。
2. 油性インクは消毒用アルコールで叩いてタオルに移す
油性インクは水に溶けないので、水や洗剤だけでこすっても落ちません。
消毒用アルコールをしみ込ませ、歯ブラシで叩いて下に敷いたタオルへインクを移すのが基本です。
アルコールの代わりに除光液を使う方法もあります。
- 机の上にビニール袋を敷き、その上にいらないタオルを重ねます。
- 服を裏返し、インクの付いた面をタオルに当てます。
- 服の縫い代など目立たない所にアルコールを付け、色が落ちないか見ます。
- シミの裏側から、アルコールをシミが隠れるくらい垂らします。
- 歯ブラシの毛先でトントンと叩き、インクを下のタオルに移します。
- タオルのきれいな面に当て直して、色が移らなくなるまで繰り返します。
- 固形石けんで軽く部分洗いしてから、いつもどおり洗濯します。
ここでこすってしまうと、インクが周りに広がって輪じみが大きくなります。
叩く、タオルをずらす、また叩く。
この繰り返しで少しずつ薄くしていくやり方です。
3. 水性とゲルのインクは洗濯洗剤で叩いて薄くする
水性インクとゲルインクは水になじむので、油性より落としやすいタイプです。
ふだん使っている洗濯洗剤をシミの裏から垂らし、歯ブラシで叩いて下のタオルに移します。
やり方は油性と同じで、アルコールの代わりに洗剤を使うだけです。
- ビニール袋といらないタオルを重ねて敷きます。
- 服を裏返し、シミの部分をタオルに当てます。
- 液体の洗濯洗剤を、シミの裏から覆うくらい垂らします。
- 歯ブラシでトントンと叩き、インクをタオルに移します。
- 残ったら固形石けんを付けて、指でやさしくもみ洗いします。
- 流水ですすいでから、いつもどおり洗濯します。
洗剤がないときは、台所用の中性洗剤でも同じやり方ができます。
ただ、水性もゲルも、一度乾いてしまうと元どおりにするのは難しいです。
とくにゲルインクは粘りがあり、乾くと自宅ではほとんど落ちません。
乾く前に始めて、薄くなればよしとするくらいの気持ちで取りかかりましょう。
4. 消えるボールペンのインクはアイロンの熱で見えなくなる
こすると消えるボールペンのインクは、ほかの2つとは考え方が違います。
熱で色が消える仕組みなので、アイロンやドライヤーの熱を当てれば見えなくなります。
フリクションの公式サイトでは、60℃以上になると色が消えると説明されています。
- 洗濯表示で、アイロンをかけてよい服か確かめます。
- シミの上に当て布をします。
- アイロンを軽く押し当てて、色が消えるまで温めます。
- アイロンが使えない服は、ドライヤーの温風を当てます。
気をつけたいのは、色が消えてもインクそのものは服に残っていることです。
同じ公式サイトには、マイナス10℃前後になると消した筆跡が戻る場合があると書かれています。
冬の屋外や寒い部屋に干したとき、点々が戻ってくることがあるわけです。
熱で消したあとに固形石けんで部分洗いしておくと、残ったインクも減らせます。
5. 同じ回に洗った服と洗濯槽のインクも落としておく
インクが付くのは、ボールペンが入っていた服だけとは限りません。
一緒に洗った服を1枚ずつ広げて見て、洗濯槽の内側も確かめておきましょう。
白いシャツやタオル、下着のように色の薄いものほど、小さな点でも目立ちます。
見つけたものは、2番から4番のやり方で同じように処置します。
洗濯槽は、ドラムの内側とゴムパッキン、糸くずフィルターを見ます。
ボールペンの部品やインクのかたまりが残っていると、次の洗濯でまた服に付くことがあります。
- 糸くずフィルターを外し、ボールペンの部品が入っていないか見ます。
- ドラムとゴムパッキンにインクの色が残っていないか、手でなぞって確かめます。
- 色が残っていたら、台所用の中性洗剤を付けて固く絞った布で拭き取ります。
- いらないタオルを1枚だけ入れて、すすぎと脱水を1回回します。
アルコールや除光液は、洗濯機の樹脂の部品を傷めることがあります。
使いたいときは、洗濯機の取扱説明書で使ってよいか確かめてからにしてください。
6. 水洗いできない服とウールや絹はクリーニング店に任せる
ここまでのやり方が使えない服もあります。
水洗いできない表示がある服と、ウールやカシミヤ、絹、レーヨンの服は、自分で落とさずクリーニング店に任せましょう。
アルコールや洗剤で色が抜けたり、縮んだりして、インクより目立つ跡が残ることがあるからです。
インクを作っている文具メーカーも、自分で洗うより、クリーニング店への相談をすすめています。
パイロットは、インクの成分は多種多様で、付着の状況や繊維によって対応が違うと答えています。
三菱鉛筆は、自社のインクは保存性を重視していて、クリーニング店でも薄くなる程度と案内しています。
お店に出すときは、次の3つを伝えると話が早いです。
- インクの種類(油性、水性、ゲル、消えるインク)
- インクが付いたのは洗濯したときだということ
- 自分で試したこと(アルコールや洗剤を使ったかどうか)
お気に入りの服や、自分でやって失敗したくない服も、最初からお店に出して大丈夫です。
7. ボールペンを洗濯してしまったらまず4つを片付ける
最後に、洗濯機を開けてインクに気づいたときにやることを並べ直します。
乾かさない、種類を確かめる、種類に合った方法で叩いて落とす、ほかの服と洗濯槽も見る、の4つです。
- 乾燥機とドライヤーは使わず、濡れたままにしておきます。
- ボールペンの軸と服の洗濯表示を見ます。
- 油性はアルコール、水性とゲルは洗剤、消えるインクは熱で処置します。
- 一緒に洗った服と洗濯槽にもインクが付いていないか見ます。
水洗いできない服や大切な服は、4つのうち1と2だけやって、あとはクリーニング店に任せてください。
次からは、洗濯かごに入れる前にポケットを上からさわるだけでも、同じことはかなり防げます。
胸ポケットと、ズボンの後ろのポケットは入れっぱなしになりやすいので、とくに気をつけてみてください。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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