式場から届いた招待状の見本に「付箋」と書いてあって、文房具の付箋をどこに貼るのかと考えた人は多いです。結婚式の付箋は貼るものではなく、本状に書ききれないお願いを載せた小さなカードのことです。誰に何を入れるかは決まりがあり、文面にも本状と同じマナーがあります。読み終わるころには、ゲスト名簿を見ながら誰に何の付箋を何枚入れるかを決めて、文面まで作れるようになります。
招待状の付箋は貼る付箋ではない
結婚式の招待状で言う付箋は、名刺くらいの大きさのカードです。本状に書ききれない個別のお願いや案内を、そのゲストにだけ伝えるために同封します。糊の付いた文房具の付箋とは別のもので、リクエストカードと呼ぶ式場もあります。
本状には日時と会場しか書きません。受付をお願いしたい、挙式から来てほしい、送迎バスがある、といった相手ごとに違う話は、本状に入れると全員に届いてしまいます。そこで相手ごとにカードを分けて、必要な人の封筒にだけ入れます。
家族だけの式や少人数の食事会なら、付箋が1枚もないこともあります。全員に同じことを伝えるなら、本状か返信はがきに書くほうが見落としが減ります。付箋は「この人にだけ」の連絡に使うものと覚えておいてください。
紙は本状とそろえる必要はなく、白やベージュの厚紙、罫線入りのカード、トレーシングペーパーなどが使われています。本状と同じ色や書体にすると、封筒を開けたときに1つの束に見えます。
付箋に書くお願いは4つに分かれる
読んだ5本の記事で挙がっている付箋を分けると、役割のお願い、参列のお願い、当日の案内、確認の4つになります。まず役割と参列の2つを決め、案内と確認は必要な人にだけ足す順で考えると漏れません。
役割のお願いは、受付、祝辞、乾杯の発声、余興、スピーチ、二次会の幹事です。受付なら他のゲストより早い集合時刻を書き、余興なら控室の場所と式場担当者の連絡先を書きます。祝辞や乾杯は目上の人に頼むことが多いので、「賜りたく」のような改まった言い回しにします。
参列のお願いは、挙式への列席と親族紹介です。全員が挙式に出る式なら、挙式の付箋は要りません。親族紹介は開始の10分前までに来てほしいことと、集まる場所を書きます。集合写真に入ってほしい人にも、撮影の時刻を書いた付箋を入れます。
当日の案内は、送迎バス、宿泊、駐車場、更衣室やクローク、着付けやヘアセットです。遠方の人には宿泊先と、宿泊費をこちらで持つならその旨を書きます。確認は、食物アレルギーや送迎バスを使うかどうかを返信はがきに書いてもらうお願いです。
服装の指定は付箋には向きません。文字数が足りず、かえって堅い印象になります。服装の希望があるときは、別の案内状かウェブの案内ページに写真つきで載せるほうが伝わります。
入れる相手はゲスト名簿で決める
付箋は全員に入れるものではありません。役割をお願いした人と挙式や親族紹介に出てほしい人には必ず入れ、案内と確認はその人に必要なときだけ入れます。
決め方は、ゲスト名簿の右に付箋の欄を作り、名前ごとに入れる付箋の種類を書いていくだけです。受付の友人なら「受付」、遠方のいとこなら「挙式」「宿泊」「送迎」と並びます。この欄が、あとで封筒に入れるときの確認表になります。
お願いの数が多い人には、頼み方を見直しましょう。受付と余興と二次会の幹事を1人に集めると、その人の負担が重くなります。付箋が3枚を超えるようなら、役割を別の人に分けるか、当日の案内は電話で済ませます。
親は主催する側なので、招待状そのものを出さない家もあります。出す場合は、親族紹介の時刻など親にも伝えることを付箋にして同封します。祖父母や年配の親族には、送迎と更衣室の案内を入れておくと当日の問い合わせが減ります。
名簿の欄は、新郎側と新婦側で分けて作ります。同じ「受付」でも両家から1人ずつ頼むことが多く、集合時刻や集まる場所が違うことがあるからです。
句読点と忌み言葉を使わない
付箋の文面は招待状の本状と同じマナーで書きます。句読点を打たず、忌み言葉と重ね言葉を避け、印刷して同封するのが基本です。文章を区切る句読点は縁を切ることにつながるとされ、代わりに空白や改行で区切ります。
忌み言葉は「切れる」「離れる」「終わる」「割れる」など別れを思わせる言葉、重ね言葉は「たびたび」「いろいろ」「重ねがさね」など同じ音を繰り返す言葉です。追伸も使いません。年配の人には失礼にあたるとされています。
手書きにするなら筆ペンかサインペンを使い、ボールペンは避けます。文字の向きは本状にそろえ、本状が縦書きなら付箋も縦書きにします。人数が少ない式なら手書きでも構いませんが、印刷のほうが読みやすく、メモ書きに見える心配もありません。
いちばん大事なのは、付箋を送る前に口頭で頼んでおくことです。受付や祝辞を付箋だけでお願いするのは失礼にあたります。会って、または電話で承諾をもらってから、招待状に付箋を入れて正式なお願いにします。
手作りなら名刺サイズの用紙が楽
式場や通販で招待状を頼むと、付箋が付いてくることが多く、文例も定型で入っています。自分で作るなら、名刺サイズの用紙に印刷するのがいちばん手間がかかりません。大きさに決まりはなく、本状より小さければ名刺くらいでも二回り大きくても構いません。
名刺用紙は1枚のA4に10面が並んでいて、家庭用のプリンタで印刷したあとにミシン目で切り離せます。文面を10種類まで1枚に並べられるので、受付、挙式、宿泊と種類が多いときほど楽です。厚手の紙かトレーシングペーパーに印刷して、カッターで切る方法もあります。
印刷する前に、本状と縦横をそろえ、書体も本状に近いものにします。文面は3行から5行に収め、時刻と場所は必ず入れます。「○時○分までに○階○○へ」の形にすると、読んだ人が迷いません。
試し刷りを1枚して、封筒に本状と一緒に入れてみましょう。付箋の枚数が増えると重さが規定を超えて切手が足りなくなることがあります。封をする前に一度、郵便局で重さを量ってもらうと届かない心配がありません。
封をする前に名簿で確かめる
付箋は本状の内側に挟みます。封筒を閉じる前に、名簿の付箋欄と中身を1通ずつ照らし合わせるのが、入れ忘れと入れ間違いを防ぐ一番確実な方法です。
2枚以上入れる人には、クリップかハトメ、割りピンで留めて1つにします。種類ごとに紙の色を変えておくと、仕分けのときに一目で分かります。読んでほしい順に上から重ね、本状の間に挟んで封筒に入れます。
確認は2人でやるのが確実です。1人が名簿を読み上げ、もう1人が封筒の中身を見せる形にすると、宛名と付箋の組み合わせのずれがその場で分かります。100通なら1時間もかかりません。
付箋は、口頭で頼んだお願いを形にして残すためのカードです。誰に何を頼んだかを名簿に書き出すところから始めれば、文面も枚数も自然に決まります。招待状を発送する前に、名簿の付箋欄を一度埋めてみましょう。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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