ノートブックLMとは何か、情報漏えいは学習ではなく共有設定で起きる

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会議のメモや社内マニュアルをノートブックLMに入れてみたい。でも「入れた資料がAIの学習に使われて、よそに漏れるのでは」と手が止まっている人は多いです。

ノートブックLMとは、自分が入れた資料だけを読んで答えるGoogleのAIです。Googleの公式ページでは、入れた資料は基盤モデルの学習には使われないと明記されています。

情報漏えいが起きるとしたら、学習ではなく、共有リンクの設定と、会社の資料を個人アカウントで扱う持ち出しです。この2つの線引きさえ決めれば、使ってよい資料と使う場所がはっきりします。

ノートブックLMは入れた資料だけを読むAI

ChatGPTやGeminiは、インターネット全体から学んだ知識で答えます。ノートブックLMは違います。ユーザーが「ソース」として入れたPDFやGoogleドキュメント、ウェブページ、動画だけを根拠に答えるのが仕組みです。

回答には「どのソースのどこから取ったか」の引用が付きます。AIが勝手に作った話(ハルシネーション)を、元の資料と照らして見分けやすいのが、他のAIとの一番の違いです。

要約や質問への回答のほかに、2人の話し手が資料を解説する音声、学習ガイド、年表も作れます。無料版は個人のGoogleアカウントで使え、Google AI ProやWorkspaceの契約があると、ノートブックとソースの数の上限が増えます。

2026年7月16日に、名前が「Gemini Notebook」に変わりました。中身は同じ製品で、作ったノートブックやソースを移す必要はありません。本文は、まだ検索で使われることの多い「ノートブックLM」の呼び方でそろえます。

入れた資料はAIの学習には使われない

ここが一番誤解されている点です。フィードバックを送らない限り、入れた資料も質問も回答も、Googleの基盤モデルの学習には使われません。無料版でも有料版でも同じです。

違いが出るのは、回答の横にある「高評価」「低評価」のフィードバックを送ったときだけです。個人アカウントでフィードバックを送ると、そのときのソースと質問と回答が集められ、人のレビュアーが確認します。

集められた内容は、確認の前に専門のチームが個人情報を取り除き、最長3年保存されて製品の改善に使われます。Workspaceと教育機関向けのアカウントでは、フィードバックを送っても人が確認せず、学習にも使われません。

項目 個人のGoogleアカウント Workspace(会社・学校)
AIの学習に使われる 使われない 使われない
人が中身を見る フィードバックを送ったときだけ 見ない
管理者の制御 なし オン・オフ、社外共有の禁止ができる
共有できる相手 最大50人。リンク公開もできる 管理者の設定しだい

つまり、無料版で気をつけるのは、フィードバックのボタンを押さないこと、それだけです。押さなければ、無料版でも人の目には触れません。

学習とフィードバックの扱いは、Googleのヘルプ「Gemini Notebook のプライバシーと利用規約」で2026年9月に確認した内容です。規約は変わることがあるので、会社で使う前に最新のページを見てください。

漏えいが起きるのは学習ではなく共有と持ち出し

実際に起きる漏えいは、AIの中ではなく人の操作で起きます。共有リンクを「リンクを知っている全員」にしたまま転送される、会社の資料を個人のGmailで使う、アカウントを乗っ取られる、この3つがほとんどです。

1つ目の共有リンクは、一度作ると、そのリンクを受け取った人がさらに転送しても止められません。社内向けに作ったノートブックが取引先まで回る、というのがこの形です。

2つ目は、会社の資料を個人アカウントのノートブックに入れる持ち出しです。会社の管理の外に置かれるので、退職した後もその人の手元に資料が残ります。会社の規則で禁止されていることが多いです。

3つ目は、Googleアカウントのパスワードが漏れて、ノートブックごと見られる形です。これはノートブックLMに限らず、GmailもGoogleドライブも同時に見られます。

共有した相手は、要約だけでなく、入れたソースの全文を読めます。Googleのヘルプでは、閲覧者は共有されたすべてのソースとメモに読み取りのアクセス権を持つと書かれています。ノートブックを共有することは、中の資料をそのまま渡すことと同じだと考えてください。

共有相手は閲覧者でも資料を全部読める

だから、共有の設定は「誰に渡すか」で決めます。メールアドレスを1人ずつ入れる限定公開にして、「リンクを知っている全員」は使わない、これが基本です。

手順は3つです。ノートブックを開いて右上の「共有」を押し、相手のメールアドレスを入れ、「閲覧者」か「編集者」を選びます。閲覧者は読むだけ、編集者はソースの追加や削除、他の人への再共有までできます。

共同で作業する人以外は閲覧者にしておきます。編集者にすると、その人が別の誰かに共有できてしまうからです。

共有を解除するときは、同じ「共有」画面で相手の名前の横から外します。異動や退職があったら、その日のうちに外してください。共有したままのノートブックが残ることが、一番多い事故です。

Workspaceの契約では、管理者が社外への共有を禁止にできます。Business Standard以上では、ソースを見せずにチャット画面だけを共有する設定もあります。会社で使うなら、まず管理者にどこまで許可されているかを聞くのが順番です。

会社の資料は会社のアカウントでだけ使う

設定は5分で終わります。会社の資料はWorkspaceのアカウントでだけ扱い、個人のGmailには入れない、ここを守るだけで持ち出しの事故は起きにくくなります。

  1. アカウントを分ける:会社の資料は会社のアカウント、個人の資料は個人のアカウントで開く。同じブラウザで2つを混ぜない
  2. 2段階認証をオンにする:Googleアカウントの「セキュリティ」から設定する。乗っ取りの対策はこれが一番効く
  3. 共有は限定公開だけ:「リンクを知っている全員」は使わない
  4. 使い終わったら消す:役目を終えたノートブックとソースは削除する。残しておくほど見られる機会が増える
  5. フィードバックを送らない:個人アカウントで機密に近い資料を使うときは、高評価と低評価のボタンを押さない
ブラウザの翻訳や要約の拡張機能は、画面の文字を外部のサーバーに送ることがあります。会社の資料を開くブラウザでは、会社が許可した拡張機能だけを入れてください。

スマホで使う人は、端末のロックを必ずかけます。公共のWi-Fiで会社の資料を開くのも避けたほうがいいです。

入れていい資料の線引きは「外に出て困るか」

迷ったときの基準は、これだけです。その資料が社外に出たら困るかどうかで決め、困る資料は個人アカウントには入れない。Workspaceでも、共有を特定の人に絞ってから入れます。

資料 個人アカウント Workspace
官公庁のPDF、公開されている記事、自分のノート 入れてよい 入れてよい
社内の手順書、固有名詞入りの議事録 入れない 会社の許可があれば。名前と社名は伏せる
顧客の個人情報、契約書、未公開の数字 入れない 管理者の許可と共有の制限のうえで
パスワード、APIキー、マイナンバー 入れない 入れない

真ん中の「社内の手順書や議事録」は、入れる前に固有名詞を置き換えると使えます。社名はA社、担当者は担当X、金額は10万〜20万円のように幅で書く、この置き換えで中身の役に立つ部分は残ります。

ノートブックLMは、入れた資料の中身がそのまま回答に出ます。資料に個人情報が混ざっていないかを、入れる前に一度見ておいてください。

まず、手元の資料を「外に出て困るか」で2つに分けてください。困らない資料から個人アカウントで試し、会社の資料はWorkspaceが有効になっているかを管理者に聞くところから始めます。

この記事のアドバイザー
電山タケル
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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