ボールペンのインクを洗濯で落とす手順とクリーニングに出す線引き

ink-sentaku-20260918 ボールペン
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洗濯機を開けたら、シャツの胸ポケットに青い線が広がっていた。ボールペンを一緒に洗ってしまったときの、あの光景です。

ボールペンのインクは、洗濯した後でも家で落とせることが多いです。決め手は、インクの種類に合った物で、こすらずに叩いて下の布に移すこと。

油性は消毒用エタノール、水性とゲルは洗剤と酸素系漂白剤、フリクションは熱で消えますが戻ることがあります。シルクやウール、革、乾燥機にかけた後のシミは、クリーニングに出す側です。

洗濯機から出した直後にやる3つのこと

まず、乾かさないでください。インクが付いた服だけを取り出し、乾燥機にかけず、シミ抜きを先にする、この順番で被害が止まります。

1つ目は、インクが付いた服と付いていない服を分けることです。濡れたまま重ねておくと、隣の服に色が移ります。他の服にも小さな点が付いていないか、明るい所で見てください。

2つ目は、シミの部分を乾いたティッシュで軽く押さえて、余分なインクを吸い取ることです。こするとインクが広がるので、押さえるだけにします。この段階では洗剤を付けません。

3つ目は、ペンの種類を確かめることです。洗濯機の中に残ったペンの軸か替芯を拾って、次の見出しの見分け方で油性か水性かを見ます。

乾燥機とドライヤーは、シミ抜きが終わるまで使わないでください。熱でインクが繊維に定着して、家では落ちなくなります。洗濯して乾かしただけなら、まだ落とせる余地があります。

インクの種類は軸か替芯の型番で分かる

落とし方はインクの種類で全部変わります。ペンの軸に書かれた商品名か、替芯の型番をスマホで検索するのが一番確かです。

ジェットストリームやビクーニャは油性、サラサやシグノはゲル、フリクションは消せるインクです。軸に「油性」「水性」「ゲル」と小さく書かれている物もあります。

昔からある「水を付けてにじめば水性」という見分け方は、当てになりません。耐水性のゲルインクが増えて、水性でもにじまない物が多いからです。

種類 例 落とすのに使う物
油性 ジェットストリーム、ビクーニャ 消毒用エタノール、除光液
水性・ゲル サラサ、シグノ、エナージェル 食器用中性洗剤、固形石けん、酸素系漂白剤
フリクション(消せる) フリクションボール アイロンの熱、そのあと洗濯

種類が分からないときは、油性の手順から試します。エタノールで浮いてこなければ水性かゲルなので、洗剤の手順に切り替えます。

油性はエタノールで裏から叩いて移す

油性インクは水に溶けませんが、アルコールには溶けます。服を裏返してタオルに当て、エタノールを少しずつ垂らして布で叩くと、インクがタオルに移っていきます。

  1. 色落ちを試す:裾の裏など目立たない所にエタノールを1滴付けて、色が抜けないか見る
  2. タオルを敷く:机にビニール袋を広げ、いらないタオルを敷く。シミを下に向けて服を置く
  3. 裏から垂らす:シミの裏側にエタノールを少しずつ垂らす。一度にかけない
  4. 別の布で叩く:乾いた布か歯ブラシで、上から4〜5回叩く。こすらない
  5. タオルの位置をずらす:インクが移った所を避けて、きれいな面に当て直して繰り返す
  6. すぐ洗う:薄くなったら水ですすぎ、そのまま洗濯機で洗う。放っておくと輪じみになる

消毒用エタノールが無ければ、除光液でも代わりになります。ただし、アセテートやポリウレタン混の服は除光液で溶けることがあるので、洗濯表示を先に見てください。

エタノールで浮いたインクが、周りに薄く広がることがあります。広がった分は洗濯で落ちるので、あわてて水を足さないでください。水を足すとインクが繊維の奥に入ります。

水性とゲルは洗剤で叩いてから酸素系漂白剤

水性とゲルのインクには、エタノールより洗剤が効きます。食器用中性洗剤を原液で付けて裏から叩き、残った色は酸素系漂白剤でつけ置き、この2段階で薄くしていきます。

手順は油性と同じで、エタノールを中性洗剤に替えるだけです。タオルを敷き、シミを下にして裏から洗剤を垂らし、布で叩いて移します。固形石けんを付けて指の腹でもみ洗いしても落ちます。

叩いたあとに色が残ったら、液体の酸素系漂白剤の出番です。40℃前後のぬるま湯に規定量を溶かし、30分ほどつけ置きしてから洗濯機で洗います。長くても2時間までにして、色物は表示で漂白の可否を見てください。

ゲルインクは顔料が多く、乾いてから時間がたつと家では落としきれないことがあります。2回やって薄くならなければ、クリーニングに回す判断です。

フリクションは熱で消えても戻ることがある

フリクションのインクは、60℃以上で無色になります。当て布をしてアイロンを中温で10〜20秒当てると、見た目は消えます。

ただし、これは消えたのではなく透明になっただけです。マイナス10℃前後まで冷えると色が戻ることがあるので、アイロンのあとに必ず普通に洗濯してください。

パイロットの公式サイトは、衣服に付いたフリクションのインキは落ちない場合があると案内しています。布に使うと茶色いシミが残ることがある、という注意も書かれています。アイロンで消えなかったときは、無理に繰り返さずクリーニングに出します。

アイロンを当てる前に、服の洗濯表示でアイロンの温度を確かめてください。アイロン禁止の表示がある服は、家で処理せずそのままクリーニングへ持っていきます。

フリクションの温度の数字(60℃以上で無色、マイナス10℃前後で戻る)と、衣服に付くと落ちない場合があるという案内は、株式会社パイロットコーポレーションの「よくあるご質問」で2026年9月に確認したものです。

洗濯槽と一緒に洗った服の確かめ方

ペンが割れていたら、服だけでなく洗濯槽にもインクが付いています。槽の内側を乾いた布で拭き、何も入れずにすすぎコースを1回回すと、次の洗濯に色が移るのを防げます。

ドラム式は、ドアのゴムパッキンの内側にインクとペンの破片がたまりやすい場所です。指で裏側までなぞって、破片が残っていないか確かめてください。糸くずフィルターも外して、中を見ます。

拭いても落ちない色は、取扱説明書の手入れの項を見るか、メーカーに問い合わせます。樹脂の部分にエタノールを使うと変色することがあるので、自分で薬剤をかけるのは避けたほうがいいです。

一緒に洗った服は、乾かす前に1枚ずつ広げて見ます。小さな点が付いた服は、シミが付いた服と同じ手順で先に処理してから乾かします。乾いてしまうと、点でも落ちにくくなります。

外出先で付いたときの応急処置も同じ考え方です。油性は乾いたティッシュでつまむように吸い取り、アルコールの除菌シートがあれば裏から当てます。水性は濡らしたハンカチで軽く叩きます。どちらも、こすらず、家に帰ってから本番の処理をします。

家で落とすか、クリーニングに出すかの線引き

線引きは、素材と時間の2つで決めます。水洗いできる綿やポリエステルで、乾燥機にかけていないなら家で落とせることが多いです。

クリーニングに出す側は、シルク、ウール、カシミヤ、レーヨン、革、スーツなどの水洗いできない物。それに、ゲルインクが広い範囲に広がった物と、乾燥機にかけて定着した物です。ここに当てはまる服は、家で薬剤を付けると色が抜けることがあり、店でも直せなくなる場合があります。

迷う服は、早く出すほど費用も仕上がりも良くなります。時間がたつほどインクが繊維に入り込み、店でも落としにくくなるからです。

店に出すときは、3つを伝えてください。インクの種類、付いた日、自分で試したこととその薬剤です。この3つが分かると、店は最初から合った溶剤で処理できます。

まず、手元のペンの軸を見て種類を確かめてください。油性なら消毒用エタノール、水性とゲルなら食器用洗剤を用意して、タオルを敷くところから始めます。

この記事のアドバイザー
電山タケル
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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