ヘッドセットとは、耳に当てるヘッドホンと口元のマイクが1つになった機器で、両手を空けたまま話したり聞いたりするための道具です。ドラマ「コード・ブルー」でドクターヘリの医師や看護師が着けているのもヘッドセットで、あれはヘリの中の大きな音を遮って、パイロットや仲間と無線で話すための「航空用ヘッドセット」です。ここでは、パソコン周辺機器のアドバイザーとして、ヘッドセットの仕組み、コード・ブルーで使われている航空用と家庭や仕事で使う一般用の違い、種類、選び方を番号付きで、使うときの注意、向く3点、よくある疑問の順に書きます。
ヘッドセットとは。ヘッドホンとマイクを1つにした機器
ヘッドセットは、聞くためのスピーカーと話すためのマイクを、頭に着ける1つの器具にした物です。両手が空くので、パソコンでのウェブ会議、コールセンターの通話、ゲームの仲間との会話、ヘリや工場など音の大きい場所での無線に使われ、マイクが口元に固定されているので、机のマイクや本体のマイクより周りの音を拾いにくく、相手に声だけがはっきり届きます。電話機の受話器を頭に着けた物と考えると、役目が分かりやすいです。
コード・ブルーのヘッドセット。ヘリの音を遮って無線で話す航空用
ドラマ「コード・ブルー」のドクターヘリの場面で、医師と看護師が大きなイヤーカップのヘッドセットを着けているのは、飾りではなく無線機の一部です。ヘリの機内は100dB近い騒音で肉声では会話できないため、航空用ヘッドセットは厚いイヤーカップで音を遮り、口元のマイクで拾った声を機内の無線(インカム)に流して、パイロット、フライトドクター、フライトナースが同じ回線で話し、地上の病院や消防とも無線でやり取りできるようになっていて、イヤーカップの中で騒音を打ち消す電子的な仕組み(ANR)が付いた物もあります。ドクターヘリの現場では、離陸前にヘッドセットを着け、機内での指示や患者の情報をすべてこの無線で共有するので、ヘッドセットがなければ飛行中の医療は成り立ちません。デビッド・クラークやボーズといったメーカーの物が実際の現場で使われています。
航空用と一般用の違い。遮音、無線、価格の3つ
コード・ブルーの航空用と、家庭や仕事で使う一般用は、見た目が似ていても中身が違います。航空用は100dBの騒音を遮る厚いイヤーカップと機内の無線につなぐ専用の端子を持ち、価格は5万〜15万円、一般用はパソコンやスマホにUSBやBluetoothでつなぎ、遮音は電車の中で音楽が聞ける程度で、価格は3千〜2万円、と用途も端子も違うので、航空用を家で使うことも、一般用をヘリで使うこともできません。ドラマを見て「同じ物がほしい」と思った人は、見た目の近いオーバーヘッド型で、周りの音を消すノイズキャンセリングが付いた一般用を選ぶと、雰囲気と使い心地の両方が近くなります。
| 項目 | 航空用(コード・ブルーの物) | 一般用(家庭・仕事) |
|---|---|---|
| 用途 | ヘリや飛行機の機内無線 | ウェブ会議、通話、ゲーム |
| つなぐ物 | 機内のインカム(専用端子) | パソコン、スマホ(USB、3.5mm、Bluetooth) |
| 遮音 | 100dBの騒音を遮る、ANR付きも | 生活音を減らす程度、ANC付きも |
| 重さ | 300〜500g | 100〜300g |
| 価格 | 5万〜15万円 | 3千〜2万円 |
一般用ヘッドセットの種類。形とつなぎ方で4つに分かれる
家庭や仕事で使うヘッドセットは、形とつなぎ方で分かれます。形は、頭の上を通す「オーバーヘッド型」(両耳か片耳)、首の後ろを通す「ネックバンド型」、片耳に掛ける「イヤーフック型」の3つ、つなぎ方は、USBか3.5mmの「有線」と、Bluetoothの「無線」の2つで、長いウェブ会議は両耳のオーバーヘッド型、電話を取りながらパソコンを使うコールセンターは片耳型、動き回りながら話すなら無線のネックバンド型かイヤーフック型が向きます。マイクは、口元まで伸びる「ブームマイク」が声をはっきり拾い、耳の横に付く小さいマイクは周りの音を拾いやすいので、会議で聞き返されたくない人はブームマイクの物を選びます。
専門家が伝える選び方。5つの手順
ヘッドセットは、次の5つの順で決めると外しません。1. 使う機器を決める(パソコンならUSB、スマホならBluetoothか3.5mm、両方なら無線でUSBアダプター付き)、2. 使う時間を決める(1日3時間以上なら200g以下で耳当てが柔らかい物)、3. 周りの音を決める(家族や職場の音が気になるならノイズキャンセリング付き、静かな部屋なら不要)、4. マイクを決める(会議中心ならブームマイク、たまの通話なら耳元のマイクで足りる)、5. 片耳か両耳を決める(周りの声を聞きながらなら片耳、集中するなら両耳)、の順です。迷ったら、USBの有線で両耳のオーバーヘッド型、ブームマイク付き、200g以下、という条件で選ぶと、ウェブ会議でも通話でも困りません。
- 1. 使う機器:パソコンはUSB、スマホはBluetoothか3.5mm
- 2. 使う時間:3時間以上なら200g以下
- 3. 周りの音:うるさいならノイズキャンセリング
- 4. マイク:会議中心ならブームマイク
- 5. 片耳か両耳:周りの声も聞くなら片耳
使うときの注意。音量、マイクの位置、耳の休憩
ヘッドセットは耳に近い所で音が鳴るので、使い方で耳を傷めます。音量はパソコン側で6割以下にし、マイクは口の横2〜3cmで正面に置かず(息の音が入る)、1時間に1回は外して耳を休め、両耳型で長時間使うときは片耳ずつ外して周りの音を確かめる、の4つを守れば、1日中着けていても耳鳴りや頭痛は出にくくなります。耳当ての合皮は汗で傷むので、使ったあとに乾いた布で拭き、1年ほどで交換用の耳当てに替えると清潔に使えます。
向く3点
家庭や仕事で使う一般用のヘッドセットを3点選びました。価格は2026年9月19日時点のAmazonの表示です。
ロジクール H390r USBヘッドセット
USBを差すだけで使える、ウェブ会議の定番です。USBの有線で両耳のオーバーヘッド型、口元まで伸びるノイズキャンセリングのブームマイク、手元に音量とミュートのボタン、重さ約197g、2年保証、価格は約3,800円です。初めてヘッドセットを買う人、パソコンのウェブ会議だけに使う人に向きます。
Jabra Evolve2 30 SE UC Stereo
コールセンターや会議用で選ばれているJabraの有線両耳型です。USB-CとUSB-Aの両方に対応した有線、両耳のオーバーヘッド型、2つのマイクで周りの音を減らすブームマイク、通話中を示すランプ、ポーチ付きで、価格は約9,900円です。1日中ウェブ会議や通話をする仕事の人、相手にはっきり声を届けたい人に向きます。
Anker PowerConf H700
無線でノイズキャンセリングが付いた、コード・ブルーの雰囲気に一番近い1台です。Bluetooth 5.0の無線でUSBアダプターが付き、周りの音を消すアクティブノイズキャンセリング、外の音を取り込む機能、パソコンとスマホの2台同時接続、口元のブームマイク、価格は約9,480円です。周りがうるさい場所で会議をする人、パソコンとスマホの両方で使いたい人に向きます。
よくある疑問
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| コード・ブルーと同じヘッドセットは買える? | 航空用として買えるが5万円以上で、機内の無線がないと使えない。家ではノイズキャンセリング付きの一般用が近い |
| ヘッドホンとヘッドセットの違いは? | マイクの有無。ヘッドホンは聞くだけ、ヘッドセットはマイク付きで話せる |
| イヤホンのマイクでは足りない? | たまの通話なら足りる。会議で聞き返されるなら口元のブームマイクに替える |
| 無線は遅れる? | 会議や通話では気にならない。ゲームで音のずれが気になるなら有線 |
| 片耳と両耳はどちらがよい? | 周りの人と話しながらなら片耳、集中して聞くなら両耳 |
| メガネをかけていても使える? | 使えるが、耳当てがつるを押す。耳当てが柔らかい物か、ネックバンド型を選ぶ |
ヘッドセットとは、ヘッドホンとマイクを1つにして両手を空けて話す機器で、コード・ブルーのドクターヘリで使われているのは、ヘリの騒音を遮って機内の無線で話す航空用です。家庭や仕事で使う一般用は、使う機器、使う時間、周りの音、マイク、片耳か両耳、の5つの順で決め、迷ったらUSBの有線で両耳のブームマイク付きを選びます。まず、自分がつなぐ機器がパソコンかスマホかを決めてから、有線か無線かを選んでください。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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